四国の新幹線実現を目指して

様々な方の意見

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京都大学大学院工学研究科教授 中川 大(なかがわ だい)
[経歴]
京都大学大学院工学研究科修了後、建設省、国土庁、東京工業大学助手などを経て、
平成19年から現在の京都大学大学院工学研究科教授、さらに平成26年度から交通政策研究ユニット長も兼務。

新幹線は特殊な事業ではなく、日常の交通、基本的なインフラとして整備していくべきものであり、世界各国において高速鉄道を全国展開している国がたくさん出てきている中で、日本は地方展開が遅れていると言ってもよい状況になっている。
九州新幹線や北陸新幹線が当時、無駄な公共事業であるとか、空気を運ぶであるとか、赤字垂れ流しだとかいろいろと言われていたが、どちらも赤字は垂れ流しておらず、空気を運んでいるような新幹線にもなっていない。非常に地域のために貢献している。
新幹線を整備する場合には、どれくらいの利用があって、どれくらいの経済効果があるのか、科学的にしっかりと分析、計算をしたうえで議論をすべきである。

四国はどの都市も、関西圏から見て非常に近く、高速鉄道を作るという発想から見れば、一番有利な所にある。高速鉄道が一番実力を発揮するのは300kmから500kmまでの距離の間の区間。四国はちょうど関西圏、名古屋圏、また九州からもその距離に入っている。また、瀬戸大橋は新幹線が通ることができるように作られており、四国は有望な場所であるといえる。

新幹線は、多くの都市政策、交通政策、そして地域全体の政策の中で核となっていくものであって、新幹線だけ作ればよいものではない。近年、新しく高速鉄道ができた地域では、新幹線との相乗効果で街づくりをし、街の発展に繋げており、新幹線の整備は、四国全体が将来に向けてどういう街づくりをしていくのかということと非常に大きな関係がある。
その中で、並行在来線は新幹線の負の部分であると言われてきたが、新幹線と並行在来線、そして他の鉄道、バスを一体的に連携したネットワークを本来目指さないといけない。

 

新幹線整備法から46年が経過し、この国の将来の鉄道ネットワークをどうしていくのか提示すべき時期に来ている。この中で四国の新幹線を筆頭とする基本計画路線についても議論しなければならない。その議論においては、新幹線は良好な社会資本であって、少しでも早く作り始めて、少しでも早く開業することが国民にとって多くの便益をもたらすということを踏まえながら、スピード感を持って対応していくべきである。

  

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