四国の新幹線実現を目指して

様々な方の意見

今回の調査結果を御覧になった有識者などの御意見を紹介しています。

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四国経済連合会副会長 青木章泰(あおきあきひろ)
[経歴]
株式会社四国銀行会長。四国経済連合会では社会基盤整備や国土づくりを担当する国土政策委員会の委員長を務める。
人口減少問題と新幹線

四国にとって、人口減少への対策が極めて重要な課題であるが、新幹線はこれを解決する大きな切り札になる。3点例示したい。

1点目は、定住人口が減少するなか、四国の活力を維持するためには、交流人口拡大が不可欠であるが、新幹線は、観光やビジネスで大都市との活発な交流をもたらす。

この新幹線効果を活かし、観光とビジネスの融合や、来訪客を歓迎する地域づくりなど、四国ブランドを高める取り組みを進めれば、さらなる交流人口拡大へとつながる。また、県庁所在地だけでなく、例えば四国西南地域にある四万十川などへの移動時間も大幅に短縮され、四国のポテンシャルを一段と発揮できるようになるだろう。

2点目は、新幹線整備は企業誘致や移住促進を通じて、定住人口の増加につながる。

企業誘致については、3月の北陸新幹線開業を踏まえた動きとして、YKKグループが東京の本社機能の一部を富山に移転すると報道されており、新幹線の整備が実際に、企業の移転につながっている。四国でも、新幹線が実現すれば、温暖な気候や豊かな自然を活かし、例えば研究開発部門や研修施設の誘致が進むのではないか。

また、四国経済連合会のアンケート調査では、四国への移住を考えている大都市圏在住者の1/3の人が、「高速道路、高速鉄道など大都市圏とのアクセスが不十分」と課題を指摘しており、新幹線は、四国への移住を促す大きな誘因になる。

3点目は、新幹線によって4県庁所在地が相互に30~40分で結ばれると、四国全体が一体的な都市圏となり、大都市への若者の流出を食い止めることが期待できる。

四国に、100万、200万都市にも匹敵する都市圏ができれば、商圏が拡がり、ビジネスチャンスが増え、企業立地が促進される。4県都が役割分担し、四国として大都市並みの都市機能を整備することもできる。人口流出を防ぐためには、九州における福岡のような拠点都市が必要とも言われており、新幹線によって、これに負けない都市圏が四国にでき、人口流出の大きな防波堤になるだろう。それを可能にするのが新幹線である。

四国に新幹線をつくって、どのように四国を発展させていくのか、ぜひ皆さんにも考えていただきたい。

新幹線の実現に向けては、四国に住むわれわれが、新幹線の効果と必要性をしっかりと認識し、強い思いをもって取り組むことが何より重要である。

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